中国SNS進出から約半年——3プラットフォーム同時運用の裏側とこれから
縦型動画クリエイターとして国内外で注目を集める“かっちゃん”さん。日本での人気を背景に、2024年末より中国SNSへの本格展開を開始。わずか半年でKuaishou(快手)・Douyin(抖音)それぞれのフォロワー数が1万人を突破するなど、目覚ましい成長を遂げています。
今回は、その運用を支援する担当者のJaneが、かっちゃんさんを迎えて中国SNS展開の舞台裏や手応え、そして今後の展望についてお話を伺いました。
「無断転載されるくらいなら、自分で発信したい」中国進出のきっかけ
Jane(以下、J): かっちゃんさん、中国SNSの運用を始めてもう半年ですね。現在はKuaishou、Douyin、REDの3つのアカウントを同時に運用しています。
かっちゃん(以下、K): はい、もう半年経ちましたね。やっぱり一番のきっかけは「無断転載」です。日本のアカウントで活動していると、フォロワーさんが「この動画、中国でバズってたよ」と教えてくれることが多くて。
J: たしかに。中国では転載された動画が百万再生されているケースもありますし、「だったら自分で発信したい」と思われるのも自然ですね。
K: そうなんです。でも自分では中国SNSのアカウントも持っていないし、中国語もできないので…。そんな中、信頼できるKenToのSeanさんとご縁があって、「一緒にやりませんか?」と声をかけてもらったことがきっかけです。
プラットフォームごとの傾向と反応の違い
J: 現在は3つのプラットフォームを並行運用中ですが、それぞれフォロワー層や人気コンテンツに違いがあるのも面白いですよね。
K: たしかに、日本では女性フォロワーが少し多いくらいだったのですが、rednote(小紅書)では約8割が女性フォロワーと聞いて驚きました。
J: rednoteは特に大学生や働く女性に支持されていて、ママ層は少なめですね。一方でDouyinとKuaishouは約6割が男性フォロワーで、女性の中でもママ層が目立ちます。
また、動画の人気傾向も異なっていて、rednoteでは大人の女性が出ている動画がよく伸びますが、DouyinとKuaishouでは子供が出ている動画が反応を集めやすいです。
K: 子どもが人気、というのは日本のアカウントと同じですね。自分の動画でも子どもがメインで出てくることが多いですが、それには理由があって——。
自分の世界観を表現する上で、子どもってとても純粋で、想像力の象徴なんですよね。宮崎駿さんの作品のような、少し不思議で、自然豊かな世界を描きたい。そういう意味で子どもは欠かせない存在なんです。
撮影の裏側とこだわり——1本にかけるエネルギー
J: 動画の世界観ももちろん素敵ですが、色味やライティングもとても印象的です。
K: ありがとうございます。そこは特にこだわっていて、ロケ地の自然光や天候も意識しながら撮影しています。屋外撮影が多いので、スケジュールの調整が大変ですが、出演してくれる子役の方々が皆さんプロなので助かっています。
J: ショート動画とはいえ、1本の制作にどれくらいの時間がかかるんですか?
K: アイディア出しから台本、撮影、編集まで含めると、早くても1週間くらいですね。撮影は可能なら1日で撮り切りますが、どうしても2日かかることもあります。
「弟子にしてください」の声続々。教育コンテンツの可能性
J: 最近は「真似したい」「弟子にしてください」といったコメントも多く見られます。
K: そうなんですか。実はオンラインセミナーもやっているんですが、中国語が分からないので、どうしたら……。
J: もし事前収録の講座動画があるなら、KenToで字幕をつけて有料配信する形での展開も可能ですよ。ライブ配信よりも手間が少ないですし、中国語ができなくても問題ありません。
K: 本当ですか?授業用の動画はあるので、ぜひ検討させてください。
J: 分かりました。もしそういった要望が増えてきたら、改めてご相談させてください。たとえば、中国のフォロワーの意見を参考にして、新しい授業動画を撮っていただくことも可能ですか?
K: はい、もちろん可能です。またぜひ相談させてください!
これからの展望——「日本の美しい風景を、もっと広く届けたい」
J: 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
K: 収益化を含めてここまで来られたのはKenToさんのおかげです。日本の美しい風景や文化を、より多くの人に知ってもらうことが、自分がクリエイターとして続けていくモチベーションです。今後もフォロワーを増やしながら、いろんな形で届けていきたいですね。
J: では最後に、中国SNSに挑戦したい企業やクリエイターの方に一言お願いします。
K: とにかく、早く始めることをおすすめします!
J: 本日はお忙しい中、ありがとうございました!
K: こちらこそ、ありがとうございました!
まとめ
半年という短期間で、3つのプラットフォームを軌道に乗せたかっちゃんさん。その裏には、地道なクリエイションと、世界観への強いこだわりがありました。
中国SNSは確かにハードルも高いですが、正しい支援と戦略があれば、大きな可能性を秘めています。
これから進出を考えている方にとって、今回の対談がヒントになれば幸いです。