
中国のSNSプロモーションを調べていると、“KOL”とか“KOC”ってよく出てくるけど……正直、何のこと?
そんな風に思ったことはありませんか?
実はこの2つはどちらも中国マーケティングを語る上で欠かせないキーワードとなります。一見すると、日本でいうインフルエンサーのように思われがちですが、実はこの2つには「影響力の種類」や「役割の違い」があります。
この記事では、KOLとKOCの違い、それぞれの特徴的な活用方法、そしてrednote(小紅書)上での使い分けのポイントについて、わかりやすく解説していきます。
KOLとは?
KOL(Key Opinion Leader)
KOL(Key Opinion Leader)とは、特定の分野で高い知名度や専門性を持ち、多くのフォロワーに影響を与える存在です。芸能人や専門家、業界インフルエンサーなどが該当します。
KOLの特徴
KOLの最大の特徴は、その圧倒的なフォロワー数と拡散力です。影響力のある著名人やプロフェッショナルが発信することで、「この人が紹介しているなら間違いない」という信頼感や権威付けを生み出す効果があります。
また、ブランドの認知向上や信頼構築に貢献しやすく、公式なプロモーションやキャンペーンとの相性も抜群です。
一方で、投稿に「広告っぽさ」が強く出てしまうと、ユーザーによっては警戒され、信頼感が下がってしまうリスクもあります。そのため、KOL活用時は、自然なトーンやリアルな語り口を意識した投稿設計が重要です。
❶フォロワー数は(数十万〜数百万人)と多め
❷拡散力に優れている
❸ブランドイメージや信頼の構築に優れている
❹「有名な人が言っている」という安心感が購買行動を後押しする
❺投稿に広告色が強く出すぎると、ユーザーに“宣伝感”が伝わり、信頼性が損なわれる可能性がある
KOCとは?
KOC(Key Opinion Consumer)
KOC(Key Opinion Consumer)とは、一般消費者に近い立場で、自分の体験をもとに自然な形で情報を発信する“共感型インフルエンサー”です。
KOCの特徴
KOCの最大の特徴は、“等身大の視点から語られるリアルな体験”によってユーザーの共感と信頼を獲得できる点です。フォロワー数はKOLに比べて少ないものの、「自分と同じ立場から発信している」という親近感が、購買や来店を迷っているユーザーの背中をそっと押してくれます。
実際の使用感や体験に基づいた自然な投稿は、ユーザーの信頼を得ることができ、より誠実に受け取られる傾向があります。そのため、商品の魅力をじっくり伝えたい場面や、ブランドイメージを時間をかけて浸透させたい場合にKOCは非常に有効です。
拡散力には限界があるものの、複数のKOCを継続的に活用することで、確実に影響力を積み重ねていくことが可能です。
rednoteのように「信頼性」や「リアルな体験」が重視されるSNSとの相性も抜群です。
❶フォロワー数は(数千〜数万人規模)と少なめだが、リアルな発信が魅力
❷実体験に基づいた投稿が多く、口コミに近い影響力を持っている
❸ユーザーの信頼を得やすい
❹複数起用がしやすい
❺自然発信を基本とした投稿
❻ユーザーからの自発的投稿も誘導可能
rednoteでのKOL・KOCの使い分け戦略
フェーズ別の使い分け
rednote(小紅書)を活用したプロモーションでは、フェーズごとにKOLとKOCを適切に使い分けることが、効果的な認知拡大・信頼構築・購買促進につながります。
初期段階(認知獲得):KOLでバズを狙う
ブランドや商品を広く知ってもらうには、まずKOLの起用が有効です。
知名度が高く、拡散力のあるKOLに情報を発信してもらうことで、短期間で多くのユーザーにリーチし、rednote内で話題をつくることができます。
中期(信頼構築):KOCを活用した口コミ量産
ある程度の認知が得られたら、次はKOCによる体験ベースの投稿を複数展開することで、「リアルな声」=信頼性を積み重ねていきます。
KOCの等身大なレビューはユーザーの共感を呼び「試してみようかな?」という気持ちを自然に後押しします。
長期(購入促進):KOC+EC導線の連携投稿
購買意欲が高まったユーザーに対しては、KOCによる継続的な投稿にECリンクや販売ページへの導線を組み合わせることで、スムーズな購入アクションへとつなげます。
rednoteのプラットフォーム内で「発見→共感→購入」までが完結するため、コンバージョン率の高い施策が可能です。
rednote活用における施策設計例
コスメブランドの場合
【ステップ1】KOLによる製品レビュー投稿(ブランド訴求)
まず初期段階では、rednote上で影響力を持つKOLを起用。
ターゲット層と親和性の高い美容系KOLに新商品のレビュー投稿を依頼します。
美しいビジュアルと分かりやすいレビューにより、ブランドの世界観を伝えながら認知を一気に拡大します。
【ステップ2】KOCによる体験投稿を複数展開(口コミ創出)
KOLによる認知拡大後、KOCによる“リアルな使用体験”の投稿を展開。
モニターキャンペーンなどを通じて、複数の一般ユーザーから投稿を収集し、生活者視点のレビューをrednote上に蓄積していきます。
【ステップ3】投稿から商品ページへ誘導(販売導線)
各投稿には、ECプラットフォーム(例:Tmall)の商品ページへのリンクを設置。
rednote上で興味を持ったユーザーが、シームレスに商品購入へ移行できるよう販売導線を整備します。
まとめ
中国SNSマーケティングでは、KOLとKOCはそれぞれ異なる役割を担う“チームプレイヤー”のような存在です。
「KOLの拡散力」と「KOCの信頼感」どちらもバランスよく活用することで、認知から購買まで一貫したプロモーション設計が可能になります。
商品やターゲットに応じて最適な構成を設計することが成功の第一歩です。