ウェブ広告ひとつにしても、アピールしたい対象によってどんな広告を作るべきかが大きく変わります。例えば、どんなモノやサービスを、どのようなクリエイティブ(バナーや動画)でアピールすれば、目的達成(購入など)に繋がるのか?今回は、ターゲット層に刺さるウェブ広告クリエイティブについて考えていきましょう!
ユーザ層の分類で需要を把握する
商材の需要を明確にするために、大まかにその商材のユーザー層がどのようなものか、いわゆる「ペルソナ」を具体的に示しておく必要があります。
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まずは、上記の判断基準を用いてユーザー層を見てみましょう。
- 「価格」に対して「高くてもよい」のか「安さを重視」するのか
- 「価値」に対して「機能的価値」と「情緒的価値」のどちらを優先するのか
上記のうち、価格と価値に対してどちらを重視するか、商品の需要を考えることが大切です。例えば、「高くても良い、機能的価値を優先」であれば、高級感と機能性をアピールできる広告を作る必要があります。その点を踏まえた上で、実際のユーザー層を見ていくことが大切です。
どんな商品を宣伝するのか?
どんなクリエイティブを作るかを考えていくため、まずは仮に商材を決めます。今回は、昨今男女問わず需要が高まっている「コスメ商材」をテーマに考えていきます。そして、コスメ商材の中でも年代問わず利用率の高い「スキンケア用品」を例として、商品のクリエイティブのデザインアイデアを検討していきましょう。
著作者:wirestock/出典:Freepik
今回のターゲットユーザー層は?
商材が決まったところで、さらに明確なターゲットユーザー層を考えます。大まかなものではなく、より詳しいペルソナを明確に設定すれば、ユーザー需要もさらに明確になります。(※「ペルソナ」とは、「企業が提供する商材サービスのターゲットとなる象徴的なユーザーモデル」というマーケティング用語です。)
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ターゲットユーザーの詳細なプロフィールを設定する
ペルソナをブラッシュアップするため、ターゲットユーザーの詳細なプロフィールを具体的に作りたいと思います。年齢・性別・職業・居住地・給与などを明らかにすることで、商品のユーザー像がもっと分かりやすくなり、そのユーザーのニーズが分かるようになります。 例えば、今回の商品の場合はどんなユーザーが対象になるのかを具体的に考えてみましょう。
プロフィール例
このように「実際にどんな人がこの商品を買うのか」を書き出してみることによって、イメージがより具体的になり、ユーザー像がもっと明確になります。上記のようにプロフィール写真も設定しておくと、見た目のイメージも可視化され、具体的なプロフィール像をもとに商品のターゲットを考えることができます。
ターゲットの具体的な行動パターン・性格・ニーズを想像する
次に、ターゲットの具体的な行動パターン・性格・ニーズを想像してみましょう。
上記のように、ユーザーの生活像を書き出してみることによって、先ほどのプロフィールよりもさらに具体的なユーザー像が見えてくるので、これをもとにユーザーに刺さる広告やテキスト(キャッチ)などを考えます。 また、特に美容コスメ市場ではパーソナライズ化(顧客の属性や行動データ履歴などのデータに基づき、顧客の興味・関心・ニーズを把握した上で、商品やサービスなどを最適化して提供すること)が重要です。「自分に合いそうか」「自分向けの商品であるか」と感じてもらえるかが大事な集客のポイントとなります。
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先ほどのユーザー層体系図の中で、今回の商材がどの部分に合致するのかを見てみましょう。 「肌に良いものにはお金をかけて、メイク用品は安くて良いものを使うようにしている」という点を踏まえると、上図の右上に位置する、「価格は高くても良い、機能的価値」を求めていることがわかります。
競合広告をもとにデザインイメージを確認
次に、競合の広告を調査してデザインイメージを分析していきましょう。今回は化粧品メーカー市場の中から売上の高い企業の広告を調査していきたいと思います。
国内大手の化粧品メーカー売上ランキングTOP3は、「資生堂」「コーセー」「花王」です。この3企業の中で特に売上の高い商品の広告を見て、広告バナーデザインの訴求方法を分析していきます。
「資生堂」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001719.000005794.html
ターゲットの年齢層に合った有名女優を起用し、美しさ・清潔感・肌のツヤ感をアピールした上、使用フォントも明朝体を使用することで化粧品の品質の良さを引き立てています。シンプルな構成デザインは、普段から使いやすいカジュアルさや、デイリー感も表すことができます。
こちらもターゲットの年齢層に合わせた有名女優を起用されておりますが、また先程とは異なるテイストです。洗練された高級感を出すことのできる黒を基調にしたデザインに、成分のイメージを目立たせるため、品のあるゴールド系の配色・エフェクトを使用。また、「400万人」の数字訴求でインパクトを出しております。
「コーセー」
商品のみであえて人物のイメージを入れず、短いキャッチでもどんな効果が得られるのかが一目見て分かるような訴求デザインです。全体のカラーは商品パッケージに基づいており、深い紫のグラデーションに対し、効果を目立たせるべく、対比色として明るい色(白)の丸の中に効果名称を記載しています。
「花王」
https://www.kao.co.jp/curel/special/20face/
消費者の悩みに焦点を当てた、コンプレックス訴求タイプの広告デザインです。肌が乾燥している様子をモノクロで表現し、肌の悩みに関するワードを赤文字で表記したり、赤い矢印風のトゲの要素を入れることで、肌への警告感やネガティブな印象を強調。そして商品のイメージカラーであるブルーを入れ、潤いイメージや安心感を与えています。
KenToデザイナーによる広告アイディア
様々な競合広告の調査を通して分かる通り、同じスキンケア商材でも、訴求したいポイントによって魅せ方が大きく変わります。今回は、KenToデザイナー監修のもと、ペルソナに基づいて各訴求別のデザインを制作しました。
テーマ①人物による訴求
ターゲット層の年齢(20代)に合わせた人物モデルの顔のアップをメインに置き、水面の背景や「水」の要素を取り入れることで、この商材が「潤い」に特化していることが一目で伝わるような構成に仕上げています。