ウェブ広告を運用する際に、「果たして広告予算はどれくらい必要なのか?」「まずはどのように企画すれば良いのか?」そんなお悩みをよく耳にします。今回は、実際にウェブ広告の予算はどのように決めるべきか、広告配信の検証方法なども含めて詳しく解説していきます!
ウェブ広告費用の決め方
Web広告は、検索エンジンで表示される広告(Google広告やYahoo!広告の)とSNS広告(Twitter・YouTube・Facebook・LINE・TikTokなど)があり、どちらも広告の課金方法は共通した仕組みになっています。
広告費用の予算配分を検討する際には、広告費用がどのように発生しているのか、そのシステムを理解することが重要です。
ウェブ広告費用の特徴
広告の課金形式は、下記のように分けられます。どのような広告を打つのか、課金型の仕組みによって広告費用発生方法が異なることを理解しておきましょう。
クリック課金 | 広告がクリックされる度に、広告費が加算されていく課金型。入札形式で費用が決定され、広告表示のみでは費用は発生しない。(市場動向などにより金額が変動) |
インプレッション課金 | 広告が表示されるたびに広告費が増加していく課金型。 広告の表示回数により費用が発生し、1,000回表示ごとに費用を払う。 (認知拡大目的のディスプレイ広告、SNS広告などで用いられることが多い) |
エンゲージメント課金 | SNS(Twitter・Instagram・Facebookなど)に掲載した広告に対して、ユーザーがが起こしたエンゲージメント(行動やアクション等)数に応じて、広告費用が発生する課金型。 |
コンバージョン課金 | 広告表示に対して設定した最終目標が達成された際に、広告費用が発生する課金型。 コンバージョン(例えば「購入」など)1件ごとの費用も自由に設定できる。(※Google広告では利用条件あり) |
期間保障型課金 | メディアの特定の枠に掲載し、広告掲載の期間ごとに課金される課金型。純広告が対象で、あらかじめ広告掲載期間を設定ししておく。費用が変動。 (※掲載期間は、競合の掲載広告と争うことがない為、競合に左右されない) |
インプレッション保証型課金 | メディアの特定枠に掲載し、インプレッションごとに課金される課金型。(期間保証型と同様の広告が対象) |
広告の特徴を把握した上で、サービスや商材によってどの広告が適しているかを見極めることが大切です。
また、広告を出稿時にはコンバージョンやリードを獲得することが目的です。広告出稿後、1〜2ヵ月程度以上の期間、運用する必要があります。出稿状況によって成果や課題を分析し、検証と改善を繰り返して、配信を最適化させるためのPDCAを回しながら配信しましょう。
検証の考え方
広告配信時には、「How(どのように)」と「What(何を)」の2つの観点が最重要。まずはPDCAの回し方とどのようなクリエイティブを制作するべきか、商材やサービスに合わせて検討しましょう。
検証方法について
配信条件を揃える
最初に、「How」の部分を考えます。配信の正確な検証を⾏うためには、KPIの設定や条件の統⼀が必要です。効果を比較するために、配信設定時にはキャンペーン全体の配信条件を揃えましょう。
一定の配信量が必要
どの広告も一定量の配信がないと検証できないため、数日間で効果の良し悪しを判断せず、一定期間の配信効果や学習状況などを貯めて横比較をして分析できるようにしておきましょう。
配信停止と新たな広告の追加
下記のデータの場合、テキスト広告とイメージ広告だけでなく、イメージ広告の画像サイズによっても効果が異なっていることがわかります。予算はキャンペーン⽬的ごとに最適な広告がアカウントから選定されて配信されますが、全ての広告に⼀定量の配信があるため、効果の悪い広告を停⽌し、新しい広告を追加していく必要があります。
検証の流れ
そして、「What」の部分では、具体的な広告訴求内容について検討します。まずはどんなクリエイティブを配信するのかを考え(今回は予算についてのお話なので省略します)、ずっと同じクリエイティブを配信し続けたままでは、クリエイティブが消耗して配信予算が無駄に消費されてしまうため、都度ブラッシュアップしなければなりません。訴求軸を複数出して検証し、どの訴求がユーザーに刺さるかを見極め、逐一改善していきましょう。
クリエイティブ精査時の考え方
実際に訴求する広告クリエイティブを制作して配信する際には、「精査基準」を設定して「クリエイティブ精査フロー」に基づいて配信継続するかどうかを判断します。例えば、基準クリック数を満たすまで配信し、目標CVRを達成しているか否かで決定するのも一つの手段です。
また、配信はCPAとCVの2軸で判断し、獲得数と獲得効率の面から継続するかどうかを判断をしましょう。
クリエイティブ精査フローの例
下記のように、仮説を立てながらステップごとにテストを行っていくことで、成功クリエイティブの勝ちパターンが見えてくるため、ターゲットに刺さるクリエイティブを判断する基準をサービスや商材ごとに明確にし、精査していくことが大切です。
クリエイティブ効果改善の実証事例
クリエイティブ検証事例①
コンタクトレンズの事例では、商材の特徴を表現するテキストから、「お得感のある数字訴求」に変更し、「購入ボタン」の効果を付けることで効果が2倍近く上がりました。同じバナー素材でも、注目を引くテキストに変更したり、クリックボタンなどを追加することで、一気に効果改善されることがあります。
クリエイティブ検証事例②
ロボット玩具の事例では、通常の1枚のバナー広告から、「カルーセル広告」に変更することで大きく効果が改善されました。カルーセル広告とは、矢印ボタンを押す・スワイプすることで複数のクリエイティブをスライドしながら見ることができるものです。
カルーセル広告は、LINE広告・Facebook広告・Instagramなどの一部のSNS広告や、GoogleアプリやYoutubeなどのGoogle広告で利用可能です。
クリエイティブ検証事例③
家庭用ロボットの事例では、ロボットの写真だけを載せたバナー広告から、カラー調整やエフェクトを追加することで訴求ポイントを分かりやすく提示。そしてエフェクトで商品の特徴を表現したことで、ロボットの動作をイメージしやすくなり、配信効果が改善されました。クリエイティブは、商品の特徴をよりリアルに分かりやすく伝える工夫が必要です。
まとめ
広告予算は、商材によって最適な配信内容を見極め、どんな課金型で配信を進めるかによって変動します。また、運用型広告で成果出していくには、PDCAの積み重ねが大切です。データや知見を蓄積し、長期的な視点が求められます。KenToではこれまでのデータを元に、分析とクリエイティブのディレクションをワンストップで行う体制を整えております。予算に関するご相談や、PDCAが回っていないと感じる場合など、お気軽にご相談下さい。